夢占いにおける「マズローの欲求5段階説」について考えてみます。

夢占いにおける「マズローの欲求5段階説」について考えてみます。
夢占いにおける「マズローの欲求5段階説」について考えてみます。

夢占いにおいて、人間の欲望や欲求というのは非常に重要なキーワードです。

その欲望・欲求パワーが強ければ強いほど、潜在意識を通して夢に反映されるのです。

日本語特有かも知れませんが「念」というやつです。

欲望のパワー=「念」なのです。

人間には絶対に欲望や欲求があります。

そして、その欲というものには限度が無いのです。つまり、欲望に終わりはないというやつです。

逆に言えば、これらの欲が他の動物以上に多種多様で且つその「念」も強いからこそ、人類は進化し発展してきたのだと思います。

 

ここでは、夢占いにおける欲望・欲求について、マズローの欲求5段階説の観点から解説しましょう。

マズローはアメリカの有名な心理学者で、「マズローの欲求5段階説」を主張した人物です。

アブハム・マズロー(アメリカの心理学者) 1908年4月1日~1970年6月8日

人間の自己実現を研究対象とする「人間性心理学」の第一人者とされています。

 

マズローが主張した「マズローの欲求5段階説」は、5層の分かれた【欲求のピラミッド】をもって、人間には5つの欲求が備わっているとしました。

これは、社員教育などのビジネス現場でもモチベーション向上のコンテンツとしてよく使用されています。

それでは見ていきましょう。

 

第一階層の「生理的欲求」

まず、欲求のピラミッドの一番下である第一階層です。

これは、人間が生きていくための基本的・本能的な欲求を指します。

たとえば、食欲(食べたい)、睡眠欲(寝たい)、性欲(セックスしたい)といういわゆる人間含めた動物の3大欲求です。

これは、動物として生存し、子孫を繁栄さる、まさに本質的な部分の欲求です。

夢占いにおいてこの「生理的欲求」も基礎になります。

「生理的欲求」は人類の長い歴史の中で無意識下にこびりついています。

特に性欲に関しては対人間に関することでたやすく実現するものではありません。

そのためストレスとして無意識に蓄積されがちで、夢で性欲に関する暗示が多くなるのです。

また満たされないと死ぬというものでもないため欲求にムラがあります。

それゆえに、人によって大きく個人差があり、夢のパターンも多種多様です。

 

第二階層の「安全欲求」

第一階層の「生理的欲求」がある程度満たされると、次は他からの危機を回避したい、安全・安心な生活を送りたいと思います。

分かりやすくい言えば「衣・食・住」の追求です。

例えば、住む場所が欲しい(雨風をしのぐため)、服を着たい(寒さから身を守る)、安定した食料が欲しい(健康でいるため)という欲求になります。

そして、近代以降それらを実現できるのは、ご存知の「お金」です。お金があれば「衣・食・住」は確保できますので、金銭欲求とも言えるのではないでしょうか。

夢占いにおいてはこの「安全欲求」も「生理的欲求」と同様に、人類において長い歴史をもつ欲求です。

実際、危機回避に関する夢は、警告夢としてよく現れます。

人間が生きていくために(死なないために)どうあるべきなのかを、どうするべきなのかを夢を通じて無意識の自分が教えてくれるのは

根本的にこの欲求があるからに他ならないのです。

 

第三階層の「社会的欲求」

第二階層の「安全欲求」が満たされれば、次は仲間が欲しい、何かに属したいという帰属欲求とも言われる「社会的欲求」を求めたくなるのです。

だから、世界中に人類によって村単位、市単位、国単位で集団が組織されていますよね。

ほら、われわれも日本国民として群れているのでしょう。

 

一方でまた、恋人も欲しくなる欲求といえます。

何をやるにも一人では面白くないし、つまらないし、得るものが少ないと思いませんか?

だから人間は他人と仲間でいたいものなのでしょう。

この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなると言われます。

いやいや、「一人の方がよっぽど気楽でいい」という人もいるでしょう。

たしかに、現代においてゲームなど、一人でいても楽しいことや孤独を感じないことも多いことでしょう。

実際、結婚する人も減ってきていますし、クラブ活動やサークル活動も減っているようです。

しかし、精神病でもない限り一日家でボーっとしているわけでもないでしょう。

ゲーム上でもネット上でも何かにつながっているわけで、人ではない何かに群れている、群れていたいのです。

夢占いにおいてこの「社会的欲求」も外せない要素です。

危機回避の警告夢という観点では「安全欲求」と同じなのですが、「社会的欲求」については人が絡んでくることがポイントです。

この「社会的欲求」が強ければ、必ずと言っていいほど対人絡みの悩みやトラブルを意味する夢がよく出てきます。

特に、この「社会的欲求」は、多種多様です。

また、基本的な人間の満たされるべき欲求の最後の砦になるので、いろんな形の夢がそのシグナルを送ってきます。

 

さて、ここまで見てきた第一階層の「生理的欲求」欲求、第二階層の「安全欲求、」第三階層の「社会的欲求(帰属欲求)」は、

「低次の欲求」という、自分が人間として生活していく満たされたいという思いから出てくる欲求で、人間が人間らしくあるための基本的な欲求です。

この後に続く第四階層、第五階層の欲求は、「高次の欲求」というものに変わります。

「高次の欲求」とは、自分が人間としてではなく、自分個人として自分の心を満たしたいという欲求で、わたしは欲求というより欲望に近いものだと思っています。

では見ていきましょう。

 

第四階層の「尊厳欲求(承認欲求)」

第三階層の「社会的欲求(帰属欲求)」の次に出てくる欲求は、第四階層である「尊厳欲求」です。

「尊厳欲求」は承認欲求とも言われる通り、他人から認められたい、、尊敬されたい、褒めてほしい欲求です。

人間としての自分ではなく、自分としての自分を見てほしい、つまり認めてもらうことで自我(アイデンティティ)を確固たるものにしたいのです。

ただ忘れてはいけないのが、承認欲求の承認には二つあり、この二つの承認を得られしないとこの第四階層の「尊厳欲求(承認欲求)」は見たされないのです。

1つは「他者承認」です。

これは、その名の通り、自分ではない他人から「君の作品は素晴らしいね、感動したよ」と言われたいわけです。

単純に他人から褒められたいというものです。

そして、もう1つは「自己承認」です。

これも、その名の通り、自分で自分を褒めてあげるというものです。

「自分の作品は本当に素晴らしい、努力のたまものだし、実力も自信もついた」と自分を認めるということです。

一般的にみれば「他者承認」の方が嬉しいものなのでしょうが、自分の本心の欲求を完全に満たすにはこの「自己承認」は必須なのです。

 

この2つの承認を満たすことで、次の欲求にステップします。

それが次の第五階層の「自己実現欲求」なのです。

実は、社員教育などビジネスで使われる部分はこの部分でなのです。

上司が部下に対してその仕事っぷりを承認し褒めてあげれば、部下は自ら高い目標を設定して実現しようと努力するため会社に最終的に大きな利益を与えてくれる人材になるという流れです。

 

夢占いにおいてはこの「尊厳欲求」に絡む夢が一番相談が多いです。

これは「自分」と「他人」の考えや感情が交差する、いわば人間関係をより向上して、心も充実した生活を送りたいという欲求だからです。

「上司との関係がうまくいかない」

「恋人と別れそう」

など、はっきり言って死ぬようなレベルのことでない欲求ですが、人間とはこの欲求を最低限満たしたい欲望だと本能的に感じているのです。

それが夢に表れるのは必然なのです。

相談が多いのは、自分自身のこの承認欲求を表意識(顕在意識)で自覚しているからことなのです。

 

では、第五階層の「自己実現欲求」をみていきましょう。

 

第五階層の「自己実現欲求」

第五階層の「自己実現欲求」は、自分のスキルや能力を発揮して、より高いレベルのことに挑戦したいという素晴らしい欲求です。

自分のあるべき姿を追求する欲望なのです。

これは、見返りを期待するというレベルのものではなく、自分自身のプライドにかけて挑む野望なのでしょう。

「会社の組織改革をして、伝説の経営者になりたい」

「偉大な薬品を発明をして、病人を助けたい」

というもので、人類の文明進化の最先端であるべき欲求なのかもしれません。

夢占いにおいてこの「自己実現欲求」に関わる夢は頻出度合いが少ないのが特徴です。

夢とは表意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)とのかい離が大きければ大きいほどより分かりやすい形で表れるものだと思っています。

この「自己実現欲求」はそのかい離が少ないからだと思います。

そして、ユングのいうところの人類共通の素地(集合的無意識)にまだまだ至っていないセンシティブな欲求のため、夢占いするためのデータ不足なのです。

 

★第六階層の「自己超越」

マズローは最終的に、5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階「自己超越」を見つけました。

欲求や欲望のない段階という感じです。

「無の境地」のレベルで、神レベルの段階です。

純粋に極めたいという欲求を超えた欲求で、「目的の遂行・達成のみ100%求める」というレベルで、見返りはもちろんエゴもや自我を忘れてただ目的のみに没頭するのです。

本物の無我夢中といえばしっくりくるでしょうか。

夢占いにおいてこの「自己超越」は大変重要だと考えています。

自己超越」は、もはや欲求ではありません。

神秘的というか、非常にスピリチュアルな領域になります。

意識的にではなく、無意識の自分であるハイヤーセルフが現実の世界にいるような状態なのです。

冒頭で述べた「念」を超えたものですので、論理的に夢を解釈することが不可能です。

100%スピリチュアルな観点での夢占いをしなくてはいけません。

しかし、この状態の夢を解明すれば、その他の下位層にある欲求に絡む夢判断の精度が飛躍的に向上するのではないかと考えています。

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